パソコンのモニターを覗き込む姿勢が多くなるデスクワークは、「IT猫背」を作り出し、体の痛みに発展することがあります。呼吸が不十分になったり血流が滞ったりもするため、思わぬ不調につながる可能性もゼロではありません。姿勢良く座っていても、長時間同じ姿勢でいることで椎間板に負担が大きくかかります。それにより発症する椎間板ヘルニアは、単純な腰痛から神経痛に進んでしまった症状です。デスクワークを続けた人にも発症者が多く、現代病の1つとされています。
椎間板の弾力性が失われていくのは、20歳を過ぎた頃なので、若い世代だからと言って油断は禁物です。弾力のなくなった椎間板は何気ない動作による衝撃によって、髄核が飛び出してしまいます。デスクワークに従事している人は、最低でも1時間に5分は歩いたり、ストレッチをしたりして、体の負担を和らげましょう。ストレッチの際は腰周りだけでなく、太ももの裏と表やお尻、お腹も伸ばすと効果的です。
それから、血流も悪くなり、血栓が出来やすくなります。血栓が引き起こす代表的な病気は、静脈血栓症であるエコノミークラス症候群や動脈血栓症である心筋梗塞、脳梗塞です。エコノミークラス症候群は別名肺塞栓症と言い、呼吸の苦しさや胸の痛みが代表的な症状です。心筋梗塞ではさらに強い胸の痛みを覚え、呼吸困難を起こすこともあります。そして、脳梗塞は急に片側の手足に麻痺や顔面の脱力が起こります。命にかかわる状態になりかねないので、やはり1時間に一度は体を動かす、水分を小まめに取るなどの工夫が必要です。